放課後等デイサービス 児童発達支援 多治見 きらり

「きらり」多治見校の支援、教材の紹介、お知らせなど

「できないつらさ」知って

中日新聞(10月14日朝刊)に「発達性ディスクレシア(「読み書き障害」)についての記事が載っていた。生まれつき文字を読んだり書いたりするのが難しいが、日常会話や論理的思考は問題がないため、周囲が気づきにくく、学校では指導や配慮がまだ行き届いていないという。

名古屋市にある「ディスクレシア協会名古屋」が行った特別支援教育支援員を目指す人を対象とした講座を開いている。その様子が紹介されていた。

「さくばんのうちににわにはつゆきがふった。」障がいのない人は、これを読むと同時にイメージが浮かんでくる。しかし、発達性ディスレクシアの子たちは1文字ずつ読んでいくので、イメージが浮かんでこないという。現象として次のようなことがおきる。

見た文字を頭の中で音に変えづらい。→読むときにつかえる。

頭の中で考えた言葉を文字に表せない。→漢字が書けない。

「生まれつきなので、がんばれと言われてもどうしていいかわからない。それを分かった上で支援してほしい」と講師の吉田さんは言う。

タイピングをおぼえればデジタル機器で文章が打てたり、問題文などを読み上げれば理解できる子もいるそうだ。このような配慮を学校に求めると同時に、「ちゃんと勉強しているの?なんでこんな簡単な字が読めないの」という言葉にどれだけ傷つくかということにも考えなくてはいけないという内容の記事だった。

また、元筑波大学教授で発達性ディスクレシア研究会の宇野彰理事長は、個別支援の重要性と適した指導方法で、読み書きができるようになるという。「適切な指導が子どもに自信を取り戻させるステップになる」と早期対応の必要性を訴えている。

 

最近「きらり」多治見校に「読み書き障がいの疑い」と診断されたお子さんの保護者の方からのご相談を受けた。今まで、「学習障がい」のお子さんを受けた経験がなかったので、私たちも障がいの特性を学び、どんな支援が適しているのかを探りながら、その子が「勉強が楽しい」と思えるような支援をしたいと考えている。

今まで作成した「漢字バラバラ」「漢字のかくれんぼ」などのパワーポイントの教材や、「漢字ドブル」などを使って支援をしているが今ひとつしっくりこない。

漢字の書けないお子さんはカタカナも苦手という事をある書籍で知った。確かにカタカナは片仮名と書く通り、漢字の一部を取って作った日本特有の文字だ。そんなことから「かなチェンプリント」という教材を作成した。ひらがなだけで構成した文をカタカナや漢字に直せるところは直して書いてみようというものだ。「きのう おかあさんといっしょに はんばあぐと くりいむしちゅうを つくりました。」「こんびにで こおらと はんばあがあをかいました。」などの文をカナカナに直していくものだ。

また、学年ごとに習う漢字で、「すごろく」と「びんご」を同時に行える教材も作成した。これらの教材がそのお子さんにはまるかどうかはやってみなければわからない。

楽しみながら、なおかつそのお子さんの課題が解決の方向に動いていくようなものを試行錯誤をしながら探している。何かよい教材があれば教えていただけたら幸いです。